サロンのこと | 小林誠

習うより慣れろという言葉があります。

2017年5月6日

みなさん、こんにちは。

代々木八幡 美容室スプラッシュ代表の小林誠です。

GW中の代々木八幡商店街は、道行く人がいつもよりゆっくり歩いています。

 

 

習うより慣れろという言葉があります。

意味を検索してみると「人や本から教わるより、自分が練習や経験を重ねたほうが、よく覚えられる」と書いてあります。

 

 

私の通勤路には路面店の美容院があり、外から店内がよく見えます。

そのサロンでは、二十代前半の男性美容師が夜一人で練習しています。

内容はカット練習です。

カットウィッグ(カット練習用の人形の首です)を使って、美容師アシスタントが読む業界誌のカットの手順が書いてあるコーナーを見ながらカット練習しています。

 

最初は自主トレしているのかなぁーと思い見ていましたが、度々その光景を見るようになりました。

考えてみると、ここ一ヶ月ほど誰か先輩に指導して貰っている所を見たことがありません。

もしかして、これは自主トレじゃなくて、ずっと一人で本のテキストを読みながらカットを覚えているんじゃ無いだろうか?と感じました。

 

 

私のベーシックカット講習会に参加してくれる外部サロンの美容師の生徒さんが、こう言っていたことを思い出しました。

 

生徒:「うちの店では誰もカットを教えてくれないんです。」

私:「え?店長さんとかオーナーさんはいるんでしょう?」

生徒:「いますけど。カットは自分で覚えろって言われます。」

私:「嘘でしょ?本当に誰も教えてくれないの?」

生徒:「・・・はい。」

私:「じゃあ、どうやってカットの練習をしてきたの?」

生徒:「本を見たり、YouTubeを見たりしてました。」

私:「そうなんだぁ。。じゃあさぁ、この講習会でしっかり覚えて帰ってね。大丈夫だからね。」

 

業界誌やテキストに掲載されているカット工程には、ポイント的な部分のみ抜粋して写真と簡単な説明文が書いてあります。

その類の本をいくら熟読しても、本当のカット技法は覚えられるものではありません。

 

では、どうしたらカット技法を覚えられるのか。

 

やはり人から教えてもらい、指導してもらう必要があります。

昔は「技術は見て盗め」と言われていました。

確かに、今でも見て覚えることはとっても大切。

 

でも、私はこういう風に考えています。

 

はじめに教えられたことを自分一人で反復練習して覚えるのは大前提ですが、それより何より経験者が後輩を指導することがサロン全体のチカラになります。

 

練習中の人は、遠慮無く先輩に聞くことです。

後輩から聞いてほしい先輩はたくさんいます。

どんな些細なことでも、自分のハートを開いて聞くことです。

図々しいくらいで良いんです。

自分の意思を表明することです。

 

あと、経験者として大切な事は、自分が今いる位置(立場)にスペースを作り、それと同時に後輩を指導して自分がいたスペースに引き上げる事が必要となるという事です。

 

先輩が後輩を差し置いて、自分一人で目標や夢に向かっていくのは間違いです。

 

とっても当たり前のことのようですが、美容師には自分が上にあがる事だけに集中してしまい、後輩を指導せず、後進育成をしない人が多いように感じます。

 

 

スタッフがサロンを辞める原因の一つに「自分が成長できる環境ではなかった」という理由があります。

人は自分の将来に夢を見られなくなると、その場から去っていきます。

 

私も昨年とある事があり、数日間悩みに悩んだ挙句、苦肉の策として「もう何も教えないからね」と言って、スタッフの気持ちを試した事がありました。(あまり良い事ではありませんが)

その時に「それでもスプラッシュに居たいです、スプラッシュが好きです。」と言ってくれたスタッフが現在在籍しているスタッフです。

スプラッシュのスタッフは、後輩が練習する時は必ずマンツーマンで指導します。

こんなに面倒見が良いサロンは他に無いんじゃないか?と思うほどです。

 

 

習うより慣れろという言葉があります。

意味を検索してみると「人や本から教わるより、自分が練習や経験を重ねたほうが、よく覚えられる」と書いてあります。

教え教えられ、想い想われ、愛し愛され。

サロンの成長は、スタッフの成長の向こう側にあります。

 

全てはバランスです。

あんまり光を求めると、かえって闇が入ってくるのです。

陰陽のバランスが大切です。

 

それでは、また。

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